澄みわたれ!
「あぁー」

大きなため息をついたあいかを見た

「どしたの、あいか」

「んー、いやね、まぁ大変なのよ」

「はぁ、で、それを聞かせてはくれないんだ?」

「相談に乗るっていう料金つきなら」

「払うわ」

「毎度」

冗談を交わしながらあいかは話し始めた

「私、好きな人いるって言ったじゃん?

その人、今モテ期?で、人気あるの

私の友達もその人のこと好きなんだ

で、その子が今度バレンタインにチョコあげるんだって

私は渡す勇気もないしあげないつもりなんだけど

まぁそれとは話違くて、、、

その人のこと、諦めよっかなって」

『ええっ』

杏子と私は声を揃えて驚いた

「なんでっ」

「いやぁ。クラスの女子がさ、結構言ってくるの

〇〇ー〇〇ー!みたいな感じで

それにバレたかもっていうのもあるし、

、、、疲れちゃった」

「えぇ」

「うわー、好きな人の名前で呼ばれるのってキツイよねー」

「うん。もう、嫌だ」

言い分は分かったけど、なんか不満だ

「諦めなくても、いいのに」

「だから、疲れたんだって」

「、、、」

疲れた、か。

でも。

「、、、未練ありありな顔してる」

「えっ」

「諦めるんだったら、もっと未練の無い顔にしなよ」

「、、、っ」

「ダメだよ、そのままじゃ、、、」

いけないんだ、中途半端に終わったら、ズルズル引きずって、次に行けなくなる

私が、そうだったから

よく、覚えてるよ

嫌な程に

「でも、からかわれたくない。」

「うーん。あ、なら、噂を揉み消せばいいじゃんね」

「!」

「あー、嘘の情報流す、とか?」

「あん、ナイス」

「じゃあこの学校じゃない方がいいよ、ね」

「まぁ。」

と、言うことで出来た設定が

現小6、一つ年下

塾が同じ

どこ小かは知らない

可愛い系っていうこと

早速、流すか

となって、あいかの親友などにも言うことにした

大変だなー、恋するって

ふとそうの顔が思い浮かぶ

「なんでっ?」

「こっちがなんで」

「あ、なんでもない、ごめん。」

なんでそうが出てくんのー?!

つい最近、赤くなったりしてたからか、、、?

心臓、うるさい、、、

間隔の正しい脈を否が応でも聞くしかなかった
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