修羅場の色
 宴会も終わり、皆が片付けを始めた。

 私はいつの間にか飲み過ぎてしまったようで、ふらふらしながらゴミを拾い集めた。


 しかし、ゴミの袋を持ち立ち上げると、ふわっと頭の中が回るのが分かった。

 もうダメだ…… と思った時、体がふっと支えられた。
 誰かの腕の中に居るのが分かる。

 なんとか自分で立とうと、顔を上げた先に見えたのは副社長だった。


「大丈夫か?」


 副社長の声に、私はなんとか肯いた。


「しっかり飲んだな…… 送ってくよ」


「いいえ、大丈夫です…」

 私は自分で歩こうと思うのだが、思うように前に足が出ない。


「ほら、危ないから」


 副社長は私を抱えながら公園を出ると、タクシーを停めた。


 タクシーに乗り込むと、私の意識は遠くなって行った。
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