童話と私の思想−帰ってこない赤頭巾−




それからオオカミがオフィーリアを案内しようとしていた場所は、オオカミの言う通り、凄く近いところにありました。









「さあ、ついたよ赤頭巾。」





そういってオオカミが道を開けると、そこには花畑が広がっていました。





「わあっ!すっごーいっ!とっても綺麗……」





広いわけではありませんでしたが、木々の間から見えた花畑はオフィーリアがみてきたどの花畑よりも綺麗でした。







「オオカミさん、連れて来てくれてありがとう!おばあちゃんに花束をつくって行くことにするわ!」





子供の笑顔は無垢で、愛らしいものです。



しかし、オオカミは赤頭巾が喜んでいることなど頭にありませんでした。


作戦が成功したことが嬉しくてしょうがなかったのです。








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