初恋物語
01
「好きだよ」

声が聞こえた。聞き間違えるはずのない声。
でも、なんで?

「なんで」

がずっとループする。
気持ち悪くなるほどまわってまわってまわってまわって、そのまま下に落ちてたまっていく。

目を開けられない。声を出したいけどのどが言うこと聞かない。
自分の体じゃないみたいに、脳からの命令をすべて無視される。
……どうでもいい時は動いてくれるのにな。
なんてことを考えても、

「なんで」

が止まらない。

こんな事……知りたくなかった。

私は目を瞑って、寝ているふりをしながら思い出す。

今、ここにいるに至るまでのことを…
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