ラストボール。〜君がくれた奇跡〜
彼は、まるでイタズラが成功した子供のような笑顔で私を見つめていた。

「お前って、俺のこと少し警戒してただろ?だから、少しでもリラックスしてくれればいいなぁ…なんつって!」

(そんなことを思ってくれたんだ…気、使わせちゃってた…)
「ごめんなさい…」

「だから、謝んなくていいっつーの!初めて心春の笑顔が見れて良かった。今日が来るの、結構楽しみにしてたんだぜ?」

「わ、私も…!た、楽しみにしてました…」

「えっ!?マジで?!わーい!!」

本当に喜んでくれてる彼を見てると、私まで嬉しくなったような気がしたんだ…
「あ!心春!敬語使わなくていいよ!同い年だし…堅苦しいのは苦手なんだー」

「わ、わかりまし…じゃなくて…わかった…」

「よし!よく出来ました!」

彼は、なんのためらいもなく私の頭を撫でてくれた。私は、初めて男子に撫でられた…
「てか、毎週月曜日会わない?せっかく心春と仲良くなれたしな!」

「う、うん…!毎週月曜日、必ず…!」

「よっしゃー!!!バスケの練習頑張んないとな!!」

「私も、記録をとるの頑張るね」

そうして、少しだけの楽しい時間は終わったんだ…
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