たまゆらのはな




「人ってか、女子じゃねぇか
何連れてきてやがんださっさと捨ててこい」


しっしっと手を振りめんどくさそうにまた書物に目を通し始める




「違いますよ、この子長州の奴らに絡まれて斬られかけてたから助けたら気絶しちゃって」



「なに!?それで奴らは?」



「すいませんあんまりに弱いんで皆斬っちゃいました」



僕が笑いながらそう答えると土方さんはチッと舌打ちをする



「…まぁいい、しかいこいつが長州と関係のある奴の可能性もあるからな」


「まぁあり得ますよね」



絡まれてたとはいえ、この子が長州のものではないという確証はない


そうだとしたら即拷問行きだよね


せっかく助けたのに勿体無いなあ

まぁまだ分からないけどね



「…とりあえず、こいつが間者の可能性も捨てきれねぇ

蔵に鍵かけて突っ込んどけ」



「はーいじゃあ失礼しまーす」


スッと襖を閉めて僕は蔵に向かう



ちょっと可哀想だけど仕方ない


最近攘夷志士の動きが活発になってきているから、土方さんも警戒しているんだと思う








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