カミレンジャー! その6(完)
「え?良いのか?お前、見たことないだろう?ものすげぇ~面白いんだぜ。特にブルーのツッコミが最高なんだよ。」

「ありがとうございます。」

「なんで、お前がそれに礼を言うんだよ?」

 そうだよね・・・。

「いえ・・・別に・・・。」

 まさか、俺がそのカミレンブルーでしたとは、言えない。

 てか死んでも言えない・・・。

「先輩だけで見に行ってください。店開けるわけには行かないでしょ?」

 必死に笑顔を取り繕って答える。

 これが精一杯。

 分かってよ。先輩・・・たとえ、あんな下らない連中でも俺の仲間だったんだ。

 俺だけが・・・その仲間から、外されたんだ・・・。

 だけど、あいつらはそれでも平然と活動しているんだ・・・。

 それが、どれだけ悲しいか・・・

 それが、どれだけ空しいか・・・。

「わかったよ。せっかくだから見にって来る。今度、機会が会ったら絶対サインもらおうと思ってたんだ。」

 ありがとうございます。

 ブルーは、心の中で先輩にお礼を言った。

 だけど・・・サインは無理だと思うよ・・・。

 色々と・・・。

 それから、しばらくして、先輩はすごい不機嫌そうに戻ってくると

「まったく、あいつら質落ちたよなぁ~・・・なんで、ブルー外すのかわけ分からないや・・・。」

 等と、ブツクサ文句を言っていた。

 それを聞いて、青山はまた静かに「ありがとうございます。」とお礼の言葉を口にした。

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