ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴

「そうですか。それは良かったです」

「うん!麗亜さんのウエディングドレス姿、素敵だろうなぁ。だって彼女お人形みたいに可愛いもの」

私がそう言うと、ソファに腰かけて私の肩を抱いていた佐渡君が頷いた。

「そうですね。清楚な感じなので、似合うでしょうね。若いですし」

「悪かったな、三十路で!」

プッと膨れた私を、佐渡君が斜めから見下ろしてクスリと笑った。

「菜月さんは多分、セクシーさが出るでしょうね。胸もクビレもありますから」

「中二階アイドルには敵いませんけどね」

「えっ!」

不意討ちの攻撃に、佐渡君があからさまに硬直した。

その瞳が空をさ迷う。

イケメンは焦ってもイケメンだな。ちょっと癪だ。

「佐渡君って、あんなメロン丸ごとみたいな胸が好みなのね。ごめんね、あんな風に大きくなくて」

「いや、あの菜月さん、それはですね、」

「フフッ」

私が笑うと佐渡君はムキになって私を抱き締めた。

「ちゃんと聞いてください!あれはそんなんじゃないんですよ!ちょっとアクシデントが起きて……」

「あはははっ!いいってば!言わなくていいよ」

「菜月さんっ!」

「ミステリアスなユージーンでいいから」

「~!!」

いいよ、佐渡君。

そういうのもゆっくりゆっくり教えて。

私はミステリアスなあなたが、凄く凄く好きだから。








   《ミステリアスなユージーン》

        ~end~
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