キミは甘のじゃく

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「ただいま」

「お帰り、今日も遅かったのね?仕事が忙しいの?」

「……まあね」

古賀くんに付き合って9時までファーストフード店にいることは家族には内緒だ。とんでもないプロポーズのことはなおさら言えるはずもない。

コートを脱いでラフな格好に着替えて再びダイニングに戻ると、今度はお父さんが手招きしてきた。

「さくらもこっちにきて一緒に食べないか?」

ビール片手に晩酌をしていたお父さんに付き合うようにダイニングテーブルにつくと、私はお母さんが用意してくれた夕飯を突き始めた。

お茶碗片手に味噌汁を啜っていると、お父さんは無遠慮に尋ねてきた。

「古賀さんとこの息子さんと会っていたのか?」

当たらずとも遠からず。父親の当てずっぽう、恐るべし。

「ち!!違うわよ!!」

焦って大声で否定するとお父さんはハッハッハッと他人事のような大きな声で笑った。

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