キミは甘のじゃく

「おーい、まだかよ」

……源泉が乳白色をしているおかげで湯の中がよく見えないのが、せめてもの救いである。

「こっち向いたら怒るからね」

もったいぶっているわけでもないが、ゆっくりと浴衣を脱いでいく。

「っつーか俺達やることやってんのに今更恥ずかしがるなよ」

「それとこれとは別なの!!」

古賀くんにはデリカシーってものがないの!?

明るいところで見られるのと、暗いところで見られるのとでは話が全く違ってくる。

こちとら、古賀くんのかつての恋人さん方みたいにナイスバディでもなければ透き通るような白い肌でもないんだから……。

見られないように直前までタオルで隠して、そろそろと慎重に風呂桶までたどり着くとチャポンと一気に肩までつかる。

「今日はいつ倒れてもいいんだぞ?また運んでやろうか?」

「古賀くんの前では意地でも倒れません」

「可愛くねーな……」

いくら可愛くないと言われても、その挑発には乗りません。

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