國比呂少年怪異譚・第二夜
リョウメンスクナ
俺、建築関係の仕事やってんだけれども、先日、岩手県のとある古いお寺を解体する事になったんだわ。

今は利用者もないお寺ね。

んでお寺ぶっ壊してると、同僚が俺を呼ぶのね。

「ちょっと来て」と。

俺が行くと、同僚の足元に、黒ずんだ長い木箱が置いてたんだわ。

「何これ?」

「いや、何かなと思って…本堂の奥の密閉された部屋に置いてあったんだけど、ちょっと管理してる業者さんに電話してみるわ」

木箱の大きさは2メートルくらいかなぁ。

相当古い物みたいで、多分木が腐ってたんじゃないかな。

表に白い紙が貼り付けられて、何か書いてあるんだわ。

相当昔の字と言う事は分かったけど、凡字の様な物も見えたけど、もう紙もボロボロで何書いてるか殆どわからない。

辛うじて読み取れたのは、

『大正??年??七月??ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ???二封ズ』

木箱には釘が打ち付けられてて開ける訳にもいかず、業者さんも『明日、昔の住職に聞いてみる』と言ってたんで、その日は木箱を近くのプレハブに置いておく事にしたんだわ。

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