空と君とダイヤモンドと
「クリスマスから昨日まで俺、涼香といたんだ。あいつは俺が守ることにした」



「大丈夫ならよかった」



心底ホッとした顔になる。




「俺とワカって好きな奴かぶるよな」


「え?」


「涼香のことお前好きだったろ?」


「そうっすね」



俺は分かってた。
入学してきたワカが涼香に一目惚れしてるって。
でも、その前から俺は涼香と付き合ってたから。



「なんでかいつも塁さんが好きなんすよ。俺の好きな女は」



ワカが悔しそうに笑う。



「…ワカ」


「俺のほうがたぶんかっこいいっすよ?」



ワカが鏡を覗く。



「ナルシストかよ」


「俺は全力でいきますよ!瑛梨奈に」


「瑛梨奈ちゃんを頼む」



俺はワカに頭を下げる。



「最初から塁さんのものじゃないっすよ」



そう言うワカの顔はどこか赤かった。

ワカならきっと瑛梨奈ちゃんを幸せにするんだろうな。
悔しいけど。

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