空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈!俺が持つよ!」



ワカが走ってあたしの隣までやってくる。



「別に持てるし」


「いいからいいから。甘えときなさい」



チラっと塁くんを見て



「塁さん、ここは俺やるんでいいっすよ」


「あ、じゃあ頼んだよ」



気まずそうな顔のまま塁くんはグラウンドに向かう。



「なんか危機感感じてきちゃった」



舌をぺろっと出す。



「危機感って…」


「だって優しいことされたら瑛梨奈は諦められない」


「別に無理に諦めようなんて思ってないし」


「俺が嫌なの!」



ワカの言葉に鼓動が速くなる。
別にワカのことがすきなわけじゃない。

でも気になるのは確か。
でも恋にはならない。



「もうさ、瑛梨奈の悲しむ顔なんてみたくないんだよ」



洗濯機にカゴを置く。



「…ワカ」


「別に俺しろとは言わねぇ。でもあんな辛い思いしたんだ。他のやつにして幸せになれよ」

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