空と君とダイヤモンドと
「俺は瑛梨奈が俺じゃなきゃダメって言うまで待ってるから」



あたしと目を合わせて言う。
とくんと胸がうずく。



「そ、んなこと…」


「言えねぇよな。わかってるからちゃんと」



ワカの笑顔も守りたいって思う。
どっちの笑顔も守るにはどうしたらいいのか。



「中途半端でごめん」



自分の中途半端さがすごい嫌いだ。
どっちも好きなんて中途半端もいいところ。
でも、好きなんだ。



「それでも俺は瑛梨奈がいいから」


「…うん」


「俺がいいって言ってんだからお前は気にしないで塁さんといろ」



ワカの懐のでかさにジーンとなる。
なんでこんなに愛が溢れてるのだろうか。



「…ありがとう」


「もうさ、出会ってってか好きになって3年目だぞ。俺、何度お前に告ってきたかわかんねぇぐらい言ってるよな」


「…うん」



一年のときの春のリーグの最終戦後に初めて言われて。
そこからずっと変わらず思ってくれてる。


ありがたいこの思いは大切にしたいんだ……──


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