空と君とダイヤモンドと
⚾️第四試合⚾️

隣なキミ⚾︎

「塁くんいないもんなぁー」



呟かれたひとり言にかえってくることのない返事。
塁くんが退寮明日から新学期というころ。
あかない反対側のベランダに寂しく思う。



「あれっ」



物思いにふけってると、突然向かいのベランダの窓が開く。



「え!?」



予想もしてなかった出来事に尻餅をつきそうになる。



「そんなビックリする?」


「なっ…なんっ…」



にこやかに笑うのは突然向かいのベランダから出てきたワカ。



「やっと一人部屋もらえたからさ。ここにしてもらったの」


「なんのために…」


「ここにいれば瑛梨奈と付き合えるかもしれないから」



つらっとこんなことを言いやがる。



「も、もう入る!」


「ちょっとくらい話そうよ」



あたしはバカだから、ワカにそう言われたらなんとなく入れなくなってしまう。



「なんでここにくるのさー…」


「より近くにいたいじゃん」



塁くんにはこのこと言えないななんて思ってしまう。

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