空と君とダイヤモンドと

就勝⚾︎

「おー!瑛梨奈」



部活に顔を出すと気づいた良基がぶんぶん手を振ってくれる。



「良基ー」



最近は就職活動で手一杯でマネージャー業はほぼできてなくて、ことしの1年で皐月くんの妹の沙也加ちゃんが入ってくれたから任せてる。



「なんでお前が先に声かけてんだよ」



ワカが良基の頭を持っていたバッグで叩く。



「暴力反対ー!」



相変わらずの賑やかなふたりに嬉しくなる。
やっぱこの2人のやり取りってあたしの大学生活の半分以上を占めていて。




「就活ど?」



ワカがあたしの隣に腰をかける。



「んー。ボチボチかなぁ。だいたいの企業はこっちで面接やってくれてるから助かる」


「そっかー。早く落ち着けるといいな」


「ごめんね。全然部活これなくて」



あたしが就活で忙しくしてる間に春季リーグも終わってしまった。
塁くんの試合だって全然見に行けてない。
就活って思っていたより大変だ。

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