空と君とダイヤモンドと
「大丈夫。野球部の寮ではないから」



皐月くんがクスクス笑う。



「なんだ。びっくりした」


「それとも野球部の寮がよかった?」


「そそそそそれはやめて!」



全拒否したすぎて言葉がおかしくなる。



「わかってるよ。落ち着けって」



そのまま歩き出す。



「すぐ横にあるんよー。女子寮が」



野球部の寮の隣の建物を指す。



「ここなんだ」



野球部の寮とはほんとに隣で。
窓から見えそう。
カーテン閉めなきゃ。なんてことを考える。



「俺はここから先ははいれないから。荷物置いたらグラウンドおいで」


「はーい」



女子寮のためここから先は男子禁制なんだろう。


あたしは寮の扉を開ける。



「すいませーん」



受付のようなところで声を出す。



「はーい」



中から女性の声がしたのでなんだかほっとする。


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