空と君とダイヤモンドと
「あれ、もどってきた!」



椎名くんが目を丸くする。



「おー」


「瑛梨奈!どうしたのいった…」



有紗の目線があたしとワカの手に移る。



「あ、これはっ」


「離さないよ。もう俺は離さないって決めたんだから」



振りほどこうとするけどワカの力に負けてふり解けないまま。



「ど、どういうことこなの?」



有紗の顔はなんだか青ざめてる。



「有紗…あたしが話してた人、ワカなんだよ」


「え?昨日のひと…?」


「うん」



有紗の力強い目がワカを映す。



「ちょっと!瑛梨奈のこと泣かせたの若松くんなの!?」



ワカからあたしを離す。



「え、有紗?」


「昨日、瑛梨奈すっごい泣いてたんだから!男ならちゃんとしなさいよ!」


「うん。もう大事にするよ。有紗ちゃんごめんね」



ワカの言葉に有紗があたしの手をワカの手に重ねる。



「もう、泣かせないで」



有紗の暖かさに触れた瞬間だった。

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