空と君とダイヤモンドと
「北海道の男って」



星那を思い出して笑ってしまう。



「真面目に聞いてんだけど」


「や、その前に北海道の男の話ってキャンプのときじゃん。2ヶ月も前」


「リーグ戦のために気張ってたから気にならなかったけど、終わったら気になったの!」



恥ずかしそうにあたしから視線を逸らす。



「塁くんのことはあたしが好きなだけだし」


「じゃああいつは?」


「あれもあたしが勝手に高校生まで好きだっただけ」


「ふーん」



真面目に答えてあげたのに気のない返事。



「大輝くーん」



♡マークをつけたような声でワカ目掛けて走ってくる女の子であたしはつまづきそうになる。



「大丈夫かよ」



ワカがあたしの腕をささえてくれる。



「ありがと」


「人いるの見てからはしってきてくださいね。僕は逃げないので」



走ってきた人の持っていた色紙にサイン書く。

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