冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
*    *    *


ヴィンターハルター侯爵邸の北側には、ひっそりと小さな庭がある。

「リュカ様、旦那様とフロイラ様は?」

「裏の小庭においでです」

「あら、ではお邪魔をしないようにしましょう」


若き侯爵と、その婚約者である伯爵令嬢が、愛してやまない場所だ。
二人がそこで過ごしている時は、誰も立ち入ってはならない。

命令されたわけではないけれど、使用人たちはそうささやき交わす。
< 249 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop