お見合い相手は冷血上司!?
「こちらこそお待たせして申し訳ございませんでした。お忙しいところようこそおいでくださいました。こちらは私の息子で――ほら、挨拶しなさい」

 相馬会長の丁寧ながら優しい声がする。

 しかし、私の視線は隣にいる男性に釘付けで、会長の姿を見ることは出来ないでいた。

「初めまして」

 青天の霹靂とはまさにこのことか。
 息もつけないほど驚いた私は、震えだして今にも崩れそうな足に必死に力を入れた。

「ど、どう……して」

 狼狽える私を見て、父が心配そうに顔を覗き込んでくる。
 そんな私たちに構わず、男性は言葉を続けた。



「初めまして、――相馬 晴人(はると)と申します」

 気持ちを込めるでもなく、さらりと言ってのける。
 そこに立っていたのは、ここにいるはずのない……冷血課長だった。
< 33 / 195 >

この作品をシェア

pagetop