とりまきface
 本当に色々起きる時は続くものだ……


 菜々は、帰り際に亜美に呼び止められた。

 又、休憩室へと入る事になった。


「どうしたの? 大変な仕事があるなら手伝うわよ」


 亜美は菜々の言葉に顔を上げ、キッ―と目を見た。


「部長をゆるして上げて下さい……」


「えっ、どういう事?」


「部長、桜井さんに酷い事を言って、今でも悔いているんです。だから、後ろめたくて私の事も見られないんです」


「そんな……」


「お願いです…… 部長を楽にして下さい。部下を信頼出来なかった事に責任感じているんです。私に、部長を返して下さい」



「分かったわ…… 私の態度も悪かったわね…… 大丈夫よ、部長は亜美ちゃんの事が好きなんだから…… 部下へのミスはすぐに忘れるわよ」


「桜井さん…… 以外に鈍いんですね……」


「えっ…… ちょっと失礼じゃない?」


「もう、いいです…… 戦う気無くなりました……」


「どういう事? さっぱり意味がわからないけど?」



 亜美は黙って、淋しそうな笑顔を向けると休憩室を出て行った。


 一体なんだったんだろう? 


 とにかく、部長を許す事にした方がよさそうだ…… 


 結局、部長と亜美の恋に協力しなきゃならないのか? 


 菜々は複雑な思いに、なんだか胸が痛んだ……

< 20 / 26 >

この作品をシェア

pagetop