死神執事と、トラブルメーカーな私の話
校門の近くに止めてあった高級車に乗り、哨は一つ溜息をついた。

「こういう車は好きではないのだけれど」


「奥様の言いつけなんで。
すみませんね」

運転手が振り向き、軽い調子でいう。

この運転手とは長年の付き合いで、こうして軽口を叩かれても不快にはならない。


「しょうがないわね。・・・出してちょうだい」

「了ー解」


滑るように動き出した車の中で、哨は瞼を閉じた。
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