副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「莉乃……」

うしろから聞こえた声に、莉乃はゆっくりと振り返り、1メートルぐらい後ろにいた誠を見た。
月明かりに照らされ、綺麗な顔が少し寂し気に曇っていた。
「莉乃…。俺にチャンスをくれないか?」
莉乃はまったく言っている意味が解らず、誠を見た。

「……何の?」
それだけを絞り出すと、また海を見た。

「莉乃を守る権利を」

「守る権利……?」
ますますわからなくなり、言葉を続けた。

「もう大丈夫だよ。アイツもいないし」

(これ以上、私の気持ちをかき乱さないで。ようやく、吹っ切ろうって思ったんだから)

莉乃はぎゅっと手を握った。
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