副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
莉乃と誠が後部座席に乗り込むのを確認すると、
「じゃあ、出発!」

弘樹は楽しそうに言うと、車を出した。
「テーマパークは明日でいいんだよな?」
弘樹の言葉に香織は「それでもいい?」とみんなに尋ねた。

「俺たちはそれでいいよな?」
誠の言葉に、莉乃も「うん」と香織に笑顔を向けた。

「じゃあ、今日は先にホテルにチェックインして、ホテルを楽しみたいな」

「そうしような」
嬉しそうな香織に、優しい笑顔を向けて香織の頭を撫でる弘樹を後ろから莉乃は見ていた。

(やっぱり仲がいいな。この二人は……付き合ってますって感じがするよね……)

「莉乃?」
そんな莉乃に、誠はどうした?といった表情をして莉乃を見た。
「うん?あっ、楽しみだね」
最近の不安を押し殺すように、莉乃は誠に微笑んだ。

「ねえ、莉乃、水着持ってきた?」
香織の言葉に、莉乃は誠から目線を話すと前の香織に返事をした。

「持ってきたけど、スパ行くの?」

「弘樹君がせっかくだから行っておいでって言ってくれたから……。あっ、弘樹君たちも行かない?」
「俺らはいいよ?せっかくだしゆっくり二人でエステもいっておいで。なっ、誠」

「ああ、莉乃もいっておいで」
誠の言葉に莉乃は戸惑ったように、香織を見た。
「本当にいいの?」
香織も伺うように言うと、
「たまの旅行ぐらい気にするなよ。俺らに良いカッコさせて。俺らはどこかで酒飲んでるから」

「ありがとう」
香織も莉乃も二人にお礼を言うと、顔を見合わせてお互いニコリと笑いあった。
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