副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「これは嫌じゃない?」
不安げな誠の声に、莉乃はクスクス笑うと、
「大丈夫。こないだの事を気にしてくれてるんだよね。嫌われたんじゃなくてよかった」
莉乃は振り返ると、誠の顔を見た。

誠はそんな莉乃をクルリと回転させると、胸の中に押し込めた。
「本当は、いつも莉乃を抱きしめたかったよ」
そう言うと、莉乃の顎をクイっと上げると唇をそっと塞いだ。
誠は何度か優しく唇にキスを落とすと、もう一度ぎゅと抱きしめた。

「莉乃が好きだよ。安心しろ」

「……うん」
莉乃も背中に手を回すと、安堵の表情を浮かべた。

そんな中、幸せな空気を遮るように、誠の携帯が鳴った。
「チッ。弘樹かな?」
誠はそのまま、莉乃を抱きしめたまま、片手でポケットから携帯を出すと、
「もしもし」
少し不機嫌そうに電話に出た。

「スパに行こだって。もう少し莉乃と二人でいたかったのに」
誠は莉乃を抱きしめていた腕を緩めると、残念そう言った。

「私もだよ」
莉乃はもう一度誠の胸に顔を埋めると、回していた腕に力を込めた。

そんな莉乃の髪にチュッとキスを落とすと、
「仕方ないな。行こうか」
二人は顔を見合わせて笑いあった。
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