副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
莉乃は早々に掃除を済ませると、パソコンを立ち上げた。

(えーと……)

通常であれば、副社長にどうしますか?と投げるだけだったが、少しでも誠の役に立ちたい気持ちになり、社内での予定などのスケジュールを各所に連絡を入れ、時間を調整して一息ついた。


「おはよう、水川さん」

「おはようございます、副社長」

いつも通りの笑顔を向けられ、莉乃も表情を崩さすにいつも通り挨拶をすると頭を下げた。


誠はチラッといつも通りの秘書姿の莉乃に目を向けたが、特に何も言わず隣の自分の部屋に入って行った。

特に何も言われなかったことに莉乃は安堵すると、今日の予定をプリントアウトし誠のデスクに向かった。
「失礼します。本日ですが、社長のご都合で役員会を15時に変更したいとの事でした」

「え?そうか……」
誠は自分の手帳を出そうとしたのを遮るように、莉乃はプリントアウトした予定をデスクに置くと、

「こちらの予定をここに変更し、こちらをここへ。ここで昼食でよろしいですか?」
誠は驚いた顔で莉乃を見上げたが、莉乃は特に表情を変えることなく誠を見据えた。

「ああ、大丈夫だ」

「よろしくお願いします」

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