僕と家族と逃げ込み家
第2話 雨のち晴

§ 喧嘩両成敗

ふぁぁぁ。眠い。
ソファに横たわったまま、大きく伸びをする。

ゴールデンウイークだというのに……六連休だというのに……何もすることがない。
 
部活には一応、行ってきた。
しかし、休みに入った途端、開店休業みたいに人がいなかった。

皆、行く所があっていいよな。

ふぁぁぁと欠伸を繰り返しながらローテーブルの柏餅に目をやり、手を伸ばそうとしてハッと思い出す。

いかん! このままでは春休みの二の舞になってしまう。
ガバッと起き上がる。

「流石『桜の何処』の柏餅よねぇ。粒餡がプリップリしているわぁ」
「先生、ちまきも美味しいですよ」

何だあれ! ダイニングテーブルの上に……いったい幾つあるんだ!
柏餅、ちまき、草餅、三食団子、うぐいす餅。

なのに僕には柏餅だけ。クソッと柏の葉を取り、齧り付く。
でも……本当やっぱり『桜の何処』の粒餡。メチャうま!

だが、ここでのんびり過ごすわけにはいかない。
いくら原稿が上がったばかりとはいえ、いつデンジャラスな時間が訪れるか分からない。

そそくさとそれを口に入れ、その場から退散することにする。
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