私のご主人様Ⅲ

戸棚の奥に手を突っ込んで1キロのケチャップ缶を取り出した。

もちろんまたいつの間にと言われたのは仕方ない。

「まぁ昼はナポリタンでも作るってことだよね?」

「コクン」

「琴音、お前別のもんの作って食べろ。病み上がりでそんな味の濃いもの食べるな」

季龍さんの言葉に、自分が食べることを思い出してはっとする。…確かにケチャップの味強いの食べれるかな。

「俺が雑炊作ります。若、それでいいですか」

「あぁ」

「ことねぇ!私も手伝う!」

断る間もなく決まってしまい、そのままやってもらうことになっちゃった。

しかもナポリタンと言っても、具があんまりないから麺で誤魔化すみたいになっちゃった…。

なんかごめんなさいなナポリタンになっちゃったなぁ…。
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