「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
あ、失言したー

そう思った時には遅かった。

女はにまりと微笑んで言った。

「なるほど、あなた侍従でありながら彼のことが好きなのね?」

「は、いやまさか。侍従として生涯お仕えすると申したまでです。」

女はハハッと笑い腰に手を当てた。

「冗談、あなたの目が彼のことをそういう気持ちで追ってたことはさっきまで見てたから分かってるの。でもまさかねーと思ってたけど、そのまさかとはね。」

ローレルのあらぬ噂を流されて、良からぬ虫を更に誘うのはごめんだ。

「それこそご冗談でしょう。俺はあなたのようなグラマラスな女性が好きなんですよ。」

そう言って、女に歩み寄る。

そうそう、こういう女。

国にもいた。

抱かれることも抱くことも、安易に済みそうな女。

その顎に指を伸ばし、女はふんと微笑んで

次の瞬間、キルクークは手を引き戻した。
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