『私』は嘘がお上手。
「イテテ・・・」
私はよろよろと体を起こした。頭がズキズキと痛む。
ここは、どこ・・・?そう考えていると。
不意に、誰かが私の前に立った。

「夏目・・・夏目!!起きたのか!?」
私の顔を除きこむのは、大親友の宮崎ルリ子だった。
「ルリ子・・・」
強く肩を揺さぶられる。
「い、痛いよ。ルリ子・・・ここは?」
「学校だよ。しかも、カモ中のね」
答えたのは、ルリ子じゃ無かった。
「佐田・・・?」
「話している暇はない。扉の鍵が閉まってるんだ。早く、逃げ出さないと。」
「そうやで。早いことせんかったら、俺ら全員飢え死にや。」
同じクラスの佐田千尋と沢川海斗。二人もここに・・・。
佐田が、私に訪ねた。
「おい、夏目はなんでここに来たんだ?」
朦朧としていた意識がハッキリとし始めている。
「そう・・・下校中に、殴られて・・・車に、乗せられたんだった」
「アタシもさ。車に連れ込まれそうになって、後ろにいたやつを蹴り飛ばしてやったんだ。でも、あいつびくともしなくてな」
ルリ子も?
なんで・・・?
「今気づいてんけど。俺ら全員・・・元々、カモ中の生徒やな」
沢川がつぶやく。
・・・その、直後だった。


ガガガ・・・ガッガガガガ・・ピーピー
突然のノイズ音。誰かが、放送をかけていた。

「ヨウコソ。アナタガタニハ早速、ゲームヲシテ頂キマス」

それは。私達の運命を狂わせる。




恐怖のゲームへの誘いだった。



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