どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。


「お二人共、これを!」


蝶野が歩道に落ちてる物を指差してる。

オレンジ色の……ふわふわしたもの?

これって……!!


「さっきまで市木が食べてた、仁夜がくれた菓子パンだな」

「なるほど、まるでヘンゼルとグレーテルですね。菓子パンをちぎって道標にしてます」

「これ、向こうにも転々と続いてますね……追えば居場所がわかるかも!」




数分後。

車をゆっくり進ませながら、道路に落ちたパンを追っていく。


「……血?」


途中からパンの代わりに血痕が道標になっていた。

そう言えばあいつ、スカートの中に刃物所持してたな……

パンがなくなった後、自分の身体を切って血痕で道標を作ったのか。

市木があの白くて冷たくて細い腕を自ら切る姿を想像しただけで、眉間に皺が寄る。

原作の童話でもこんな痛々しい事しないぞ……
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