好きとスキが重なった日②
うーん、でも嘘つくのって簡単だけど、肝心な時に思いつかないんだよね。

分かりやすいとすぐバレちゃうし、何としてでも信じこませなきゃ。


そしたらやっぱり"別れよう"とか?
もう単純すぎるのしか思い浮かばない。


とりあえず電話してみようかな。
これはもう流れに身を任せるしかない。


自分の部屋のベッドに寝転びながら、悠真に電話を掛けた。
まだお昼前だから嘘ついても大丈夫だよね?

話によると、お昼過ぎたら本当になっちゃうみたいだし…。


プルルルルー、プルルルルー


あれ?出ない。
もしかしてバイトかな…。


「もしもし?どうした?」


「あ!いや、特にないけど、悠真の声聞きたくて」


突然電話に出た悠真の声を聞いた瞬間、私は緊張しすぎて、思わず声が高くなる。
まずい。早速バレたかも。


「俺もちょうど美莉亜に電話しようと思ってたんだ!
話したいことがあって」


「え!何?」


少し間が空き、悠真が口を開いた。


「俺さ、母さんと引っ越すことになった
遠くに行かないといけないから、もう美莉亜に会えない。
ごめん。」


「それ、嘘だよね?ねぇ!エイプリルフールだよね?」


「いや、本当」


次第に私の瞳から涙が込み上げてくる。

どうしよう、私今泣いてる。


悠真に泣き声聞こえちゃダメなのに、もしかしたら悠真は本当にエイプリルフールの日だって気づいてないのかもしれない。


本当にどうしよう。


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