【紫・長編】華押(hana oshi)

現在(いま)開催されてる催しものは、県展だ。
県民が県展の為に作成した一点モノばかりだ。

夏冬が好きな作品はオレンジの背景に小さな竜に少年がもたれ腰掛け合ってる絵画だ。竜が痩せ細った恐竜に巨大蝙蝠並みの翼がの碧の竜だ。エラが両方生えてて、ペットとして飼われてる「エキゾチックアニマル」みたいで可愛いのだ。
半袖のチュニックのウエストを緩く絞った茶髪の少年もイイ表情(かお)してる。

一方、春秋の好きな作品はファンタジーはファンタジーでも、洋館の背景に白目が無いロングヘアの色気ある女性の顔が描かれた作品だ。「闇」を思わす絵画は夏冬が選んだ絵画よりミステリアスで大人びてる。
朴念仁の癖に、何故(なにゆえ)？とひそかに夏冬は思ってる。