カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
「なんでだろうな―。
俺にもよく、わかんねぇや」


「そっかぁ…もう…二度と
あんな馬鹿な事しないでよ?」

「おう。悪かった…な。
もう、しねぇからさ。
心配すんな。」






そう言って、カズキはまた月を眺めていた。




今夜はやけに明るく、赤い月。



子供の頃に一度こんな色の月を見たっけ…
いつだたかな―?





静かに時間が流れていく。



私は…多分…ガズキが。




カズキが不意に口を開いてきた。







「チビぃ?」

「なに?」






早まる心臓…

うるさい…

静かにして…








「俺のこと、かばってくれたんだてな?
サンキューな」

「あ…うんん。
夢中だったから。」

「蹴られた場所見せてくれねぇか?」







ぇ…?





「いぁ、嫌ならいいんだ。かなり腫れてるって聞いたからさ。」





カズキは申し訳なさそうな顔をしている。









「いいよ…」

私は静かに洋服をめくり上げた。





< 72 / 284 >

この作品をシェア

pagetop