わたしの彼氏は××××です。




「そ、颯ちゃんはどうしてそんなに怒っているのかな?」





機嫌を伺うようにして颯ちゃんを見上げると、彼は目をさらに細めた。





「……僕と美鈴は恋人同士なんだよね?」



「そ、そう…デスネ」



「ふふ。…だけど美鈴は僕と付き合っているのを余程隠したいみたいだね?」





颯ちゃんの笑顔が不気味だ。



口は笑っているが、目は完全に笑っていない。



彼の周りを纏う黒い空気は更にどんよりと重くなっていく。



背中から冷たい汗が流れるのが分かった。



< 6 / 56 >

この作品をシェア

pagetop