桜の季節、またふたりで
お母さんも、まどかも、担任の先生も、斉藤さんも、みんな喜んでくれたけど。


私が一番褒めてほしい竣くんからは、何の連絡もなかった。


竣くん、私たちはもう、終わりってこと?


何も言わないでいなくなるなんて、竣くんらしくないよ。


せめて、元気でいることだけでも、わかればいいのに。


お互い元気なら、またいつかどこかで会えるかもしれないっていうだけで、前を向けるのに。



卒業式も終わって、長い春休みに入った頃。


突然、竣くんから短いメールが届いた。



『合格&卒業おめでとう、美春』



メールを見た瞬間、涙がとめどなくあふれてきた。


もちろん、すぐに返事を送った。


『竣くん、ありがとう。


早く会いたい』


やっぱり、返事はなかったけど。


竣くんからの短いメールに、私は支えられていったんだ。





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