桜の季節、またふたりで
「なんでまどかは、私に優しくしてくれるの?」


思わず口に出してしまったけど、こんなこと聞いたら関係が壊れてしまうと一瞬で後悔した。


「だって、中学からの友達じゃん。


それに、美春は頭が良くて優しくて、悪口を言わない。


うらやましいことだらけだよ」


まどかは、そんな風に思ってくれてたんだ。


「ありがと、まどか」


「デート、楽しんでおいで」


短い時間だったけど、まどかの優しさにふれて、本音も聞けて嬉しかった。



洋服も決まり、あとは金曜日を待つばかり。


その間も、五十嵐さんと毎日メッセージをやりとりしていた。


木曜日の夕方、フラッとコンビニに来た五十嵐さんは、コーヒー片手にレジへやって来た。


「美春ちゃん、明日楽しみだな」


「そうですね」


私も、約束してからずっと、ソワソワしていたから。


「じゃ、明日な」


笑顔で出ていく姿を見送った。


< 30 / 231 >

この作品をシェア

pagetop