イケメン小説家は世を忍ぶ
でも……髪の毛にキスはやり過ぎじゃないの?

そんなことを思っていると、横にいる大杉さんが顎に手を当てながら言った。

「……いや。やっぱり本人じゃないかなあ。結衣ちゃんの話を聞いて、わざと英会話の講師のフリをしたように見える。でも、そんなの結衣ちゃんに聞けばいいことだよね?桜井先生なんでしょう、あの人?」

……大杉さん、しつこい~!

「だから、違います!」

私はキレそうになりながら声を張り上げた。

「でも……なんか誰かに似てたな。誰だっけ?」

大杉さんがう~んと唸る。

……マズイ。

大杉さん……ケント皇太子のことを言いたいんだよね?

言えるはずがない。

私が彼を桜井先生って言ってしまったら、そのうちケント皇太と同一人物だってバレてしまう。
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