イケメン小説家は世を忍ぶ
「現皇太子のくせに何言ってる?」

俺はキースを冷めた目で見た。

「次の国王は正当性から言えばケント様に決まってるじゃないですか!それに誰が国王に相応しいかなんて聞かなくてもわかることですよ。その皇太子の指輪がその証拠です」

すごい剣幕で言い立てると、キースは俺がはめている指輪に目を向けた。

「お前にやるって言いたいところだが、抜けないんだよな」

俺は左手にしている指輪をまじまじと眺める。

日本に来てから何度か外そうと試みたが、一度も外れたことはなかった。

「伝説の通り、その指輪が持ち主を選ぶんですよ。王になるべき者の指輪ですからね」

そう、セピオンには伝説がある。

約三百年前にセピオンを建国した俺の祖先は、神の使いである青龍の力を借りて国を平定したと伝えられている。

その後、龍は指輪となって王を選び、国を守っていると古文書にも記されているのだが、その伝説のせいか、セピオンの国民は国王を神のように崇めていて……。
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