イケメン小説家は世を忍ぶ
17、受け継がれる指輪とロイヤルウェデイング
「この姫さんを拘束しろ!」

マックスが側にいた部下に命令し、私はまたロープで手足を縛られた。

「この女を闇市で売りさばけば、少しは俺の溜飲も下がると言うものだ。あの殿下の大事な女だからな」

マックスが私のしている指輪に触れた。

「……そう言えば、俺に撃たれたはずなのに……縛られても痛がっていないのは……この伝説の指輪のせいなのか?」

マックスは、私に問い掛けるというよりは自問自答するように呟く。

『伝説の指輪』?

……ケントがはめていたこの指輪は何か特別なものらしい。

言われてみると……マックスの言うように、私の肩の怪我はほとんど治っている。
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