イケメン小説家は世を忍ぶ
大声で叫んでささやかな抵抗をしたが、マックスに「うるせー」と怒鳴られ、口を押さえられた。

でも、このまま諦めるのは嫌で思い切りマックスの手を噛む。

「いてーっ」

マックスは呻きながら顔を歪めると、私を睨みつけた。
「この女!」

拳を振り上げるマックス。

私は殴られると思い、身を縮こませギュッと目を閉じる。

その時、コックピットの方から足音がしたかと思ったら、数メートル先でマックスの呻き声が聞こえた。

……何?

何が起こったの?

私……殴られてない。
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