イケメン小説家は世を忍ぶ
大杉さんは興味津々といった顔で聞いてくる。

きゃー、早速きたよ、この質問。

「猫が好きみたいですよ」

少し動揺しながらも平静を装う。

動物の好き嫌いなら教えても問題ないだろう。

「へえ、他には?若いとか、年食ってるとかさあ」

「それは知らない方がいいかもしれませんよ。実際に知ったら、がっかりするかもしれないし……」

私は苦笑いしながら言葉を濁した。

「実際会ってガッカリしたんだ」

大杉さんの眼が鋭く光る。

「いえ……そんなことは」

私は大杉さんから視線を逸らし曖昧に答えた。

桜井先生の性格は難ありだけど、美形過ぎて驚いたなんて言えない。

「歯切れが悪いなあ。ガリガリの草食系の眼鏡君で幻滅したとか?」

私の返答に納得しない大杉さんは、さらにツッコム。

桜井先生決して草食系眼鏡ではない。眼鏡はかけてるけど、あれは肉食系だわ。しかも、フェロモン駄々漏れの。
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