イケメン小説家は世を忍ぶ
「あなたも元気そうで良かったです!」

キースが俺を見て、人懐っこい笑顔を見せる。

こいつは小さい頃から俺を兄のように慕っていた。

俺の三つ下の従弟。

頭はすごくいいのだが、病弱のせいか臆病で公の場に出ることはほとんどなかった。

「今回のことは……残念だったな」

「父のことなら仕方ないです。あの人の悪政を止められなかった僕にも責任はあります」

キースは悔しそうに自分を責める。

「あまり思い詰めるな」

俺が慰めの言葉を口にすると、キースはコクリと頷いた。

「わかっています。今の状況を何とか変えたくて僕はあなたを迎えに来たんです」

キースが真っ直ぐな目で俺を見つめる。

「お前……強くなったんだな」

七年という時の流れを感じながら、フッと微笑を浮かべる。
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