Destiny ─ 運命 ─


座りながら全力で体を動かして首をふって。


「あっちあっち~!」


その声は周りの些細な音さえもかき消すくらい


私の耳へと届いた。


その声の主に向かって私は顔を向けた。


そこには翔の姿があった。


まさかこんな大勢の場所で会えるなんて思わなかった。


そして目が合った…


翔はそのまま友達と奥へといってしまった。


でも、今確かに目が合ったきがした。


暗くてよく見えなかったけれど、確かに。


こんなに


こんなに嬉しいんだね。


初恋みたいに。


小さなことでウキウキしている自分がいる。


そんな自分、私は嫌いじゃないって思った。

< 12 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop