誰よりも遠い貴方…
知らない番号からの着信はそれからもなく
同伴の時間が迫ってるので家を出る。
仲の良いお客さんだったから
会話も弾むし
おいしい食事だった。
それなりに楽しい時間を過ごしてる。
…でも私の頭の中から
ハルサンからの着信
が離れる事はなかった。
客「どうしたの?
心配事でもあるのかな?」
シオ「え?」
客「携帯ばかり気にしてるよ。」
シオ「あ!…ごめんなさい!!」
…私最低だ。
この人は今から店に行って沢山のお金を落としてくれる。
高級なお酒、
楽しい会話、
素敵な一瞬の時間を共有して、
とて良い客。
そして、この人が
落とす沢山のお金が私の今の生活を裕福にしてるのは確かな事。
今はプライベートの時間じゃない。
楽な時間だけど
私がこの人に与えられる一瞬の時間を
一生懸命しなければ。
それが私の仕事。
客「いいんだよ。
シオに何かあったのかな?思ってな。」
と優しく笑う客は
とても紳士的な男性だ。