甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

   「まったく、危ねーだろ! 俺が口をはさまなきゃ、
    あの貴族の坊ちゃんに唇を奪われてたぞ」



 見下ろされながら、落ちてきたぞんざいな言葉に、フィーネは目を
 ぱちくりさせる。



    
   「わかんないの?」
   
   「?」


 戸惑うフィーネの顔に、にやにや笑いを浮かべた顔が近づく。

 そして、目の前の男は眼鏡をとると、今度はにーっと笑ってみせた。



   「セオ!」



 背の高い使用人は、セオだった。



   「なぜ? どうして?」

   「ユアンに頼まれて、潜りこんでんの」

   「でも、あなた、その髪......」



 セオだとわからなかったのも無理はない。

 だっていつもセオは、肩までの髪を一括りにしているのに、今のセオの
 髪は、とても短い。

 だが、フィーネの言葉が終わらないうちに、セオの髪は伸びはじめ
 フィーネの見ている前で、いつものセオの姿になった。



   「%△&◯?!!!」

   「こういうこと! 俺もユアンと一緒なの。
    ただ俺は長さを変えれるだけで、あいつみたいに器用に
    色は変えられない。もちろん瞳の色もね」
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