始まらなかった恋
委員会が終わり今年も同じ委員になった木村と一緒に教室に戻りながら俺は訊く。
「木村って委員会のある日は一人で帰ってんの?」
「ん~。その時々かな。友達の部活終わるまで待ってる時もあるし」
「山岡って部活してないよな?」
「はぁ? 私の友達って楓だけじゃないけど?」
「あ、そっか…えっと、今日は?」
教室に山岡が居たら、木村は山岡と帰ろうとするんだろうか。それは困るな。
「…何? 一緒に帰ろうとか思ってる? やめてよ」
心底嫌そうな顔。 分かるけど…自分の親友を傷つけた男と同じ委員会ってだけで嫌なんだろう。 でも、その正直すぎる態度に落ち込む。好きな子の親友からこんな顔されるのって。
「木村が俺を怒ってるのは分かるけど…」
「私は怒ってるけどね。楓はそうじゃない。 中谷は優しいから言えないんだろうって、だから自分から別れを言うって言ってた。どこが優しいんだか」
「言えないって…俺が別れたいってことを?」
「それ以外何があるの? 楓を好きじゃなく付き合ってるって親友の私にハッキリ言ったんだからそういうことでしょ? なによ今更」
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