*Only Princess*




だって、考えてみれば全部てったのおかげなんだもん。


最初は嫌いだった暴走族だけど、いい人たちって気づくことができて。


白鷹という素敵な仲間ができて、毎日楽しく過ごせているのは。



「あたし、てったの幼なじみで……てったと再会できて、本当よかった」



心からそう思うよ。


あたしの幼なじみはてったしかいない。


恋愛の”好き”とかそれ以前に、てったは大切な幼なじみなんだもん。


それは、何があっても変えられないよね。


すると、てったは照れくさそうに目を逸らした。



「あれ、照れてる? ふふっ」


「……うるせーよ。菜生が急に変なこと言うからだろ。つか、見んな」



照れてる顔を見てやろうと覗き込んだら、顔を押さえつけられた。


手で視界が阻まれる。



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