*Only Princess*

「おかえり」

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3日後、クリスマス。


今日の、おそらく夕方から夜にかけて、白鷹と朱雀の戦いが行われる。


そのことをタカトを始め、朱雀のみんなには言えなかった。

言っていいものなのかわからなかった。


でもそんなのフェアじゃないよね。


やっぱりタカトにだけでも言っておこうか。


どちらにしろタカトはまだ入院していなくちゃいけないから、戦いに参加はできない。


そもそも退院できても複雑骨折してるから、無理な話だけど。


とりあえず病院に行って、タカトに事の成り行きを話そう。

うん、そうしよう。


あたしは厚いコートを着て、引き出しの奥に眠っている鷹のピアスを握りしめ、家を飛び出した。



「あ、雪……」



外は、羽のようにふわふわと雪が舞い降りている。


今年度の初雪だ。


キレイ、そう呟いてから、あたしは病院に向かった。



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